認知症の症状
私の東京の実家から、歩いて10分くらいの所に、父方の祖父母が住んでいて、昨日会いに行って来ました。祖父は87歳、祖母は88歳。数年前から、祖父が心臓病やら軽い脳梗塞やらで入退院したり、今年に入ってからは階段から落っこちて腰を打ったり、さらに軽い老人性のうつ症状が出てしまったりと、全面的に祖母が祖父を面倒見ていたというか。一緒に私の父の弟夫婦が住んでいますので、もちろん弟夫婦が祖父母を助けているわけですが、それにしても、若い頃は本当に仕事と夜の外出が多かった祖父が、さすがに87歳にもなって、それは無理ですし、なんと言っても病気をして、さらに腰を打ったり、精神的に落ち込んだりして、家にいることが多くなって、その分の負担が祖母にいろいろとかかっていたわけです。男性は、病気をすると妻に甘えるというか、わがままになるというか。今まで何十年と一緒に暮らしてはきたものの、祖父と祖母は仕事の関係もあったのか、一緒に旅行に行ったり、遊びに行ったり、買い物に行ったりしたことはほとんどなく、いつも別々の友人と旅行に行ってましたし、祖父はとにかく付き合いで外出が多く、祖母はそれを何も言わずに我慢してきた長い年月だったらしいです。(それは実は、孫の私でも分かるくらいの夫婦の関係です。でも夫婦はいろいろな形があるし、なんて思っていましたが)
しばらく前、そうですね、多分半年くらい前から、どうやら祖母の様子が違ってきたみたいなのです。相変わらず祖父は腰が痛いと言っては、昼間に寝込んでいたりしていましたが、それは歩いてリハビリをした方が良い状態なのに、本人が痛いからクスリを飲んでは寝込んでいたのです。みんなで祖父を歩かせようと声をかけても、ダメだったのです。祖母の方は、それでも祖父の面倒をよく見ていましたし、自分もいろいろと落ち込んだり具合が悪かったり、それこそ祖父のいないところで祖父の悪口を言うくらいの勢いがあったり、時には落ち込んで「長生きはしても良いことがない」みたいな事を言っていたりしたのですが、だんだんと何となく、???という行動や、???という事を言うようになってきました。「あれ?私、今、何してたっけ?」とか、それくらいの事なら88歳ですから年相応の状況でした。と思っていました。ところが、この1ヶ月くらいの間に、急速に祖母の状況が変わってきました。私は先週まで富山の自宅にいて、実家の母親から話を聞いていたので、昨日祖母に会いに行った際には、心の準備は出来ていたつもりでした。
昨日は夕方、祖母に会いました。玄関を入ると、まず和室に洋服を片づけている様子がありました。何枚か服が出してあって、そのままになっていました。祖母は一人でキッチンにいまして、私に気付いて「いらっしゃい」と言ってから「こっちへどうぞ」と、いつものようにキッチンのテーブルに私を呼んでくれました。しかしその様子は、数ヶ月前に会った時よりも痩せていて、腰が曲がってしまい、何となく視点がぼんやりしている感じでした。お茶を入れてくれて、小豆を煮てお汁粉を作っていたらしく、少し食べさせてくれました。そういう一連の料理や家事に関しては、まだまだ出来るのです。二人でテーブルに付いてから、いろいろと話しました。内容は、子供時代のことから、私達孫のこと、それぞれの家庭のこと、しかし、夫婦のこと、特に祖父母の関係にについての事に話が及ぶと、まるで目がつり上がったような顔つきになって、「私はあの人(祖父)と一緒にいても話すことがない」と言います。どうやら不満をずっと我慢していたらしいので、「ケンカとかしたの?」と聞いても「したことがない」とのこと。「言いたいこと言って、ケンカしちゃえば良かったのに」と私が言うと、「私は口べただから」と祖母は答えました。一時間くらい様々な話をして、「じゃあ帰るね。最後にトイレかしてね」と私が言って、トイレに入っていると、外で「私、何してたのかしら?」と言いながら和室に向かって歩いていく祖母の声が聞こえました。
どうやら、認知症の初期症状のようです。(もしかして、もう少し進んでしまっているかもしれません)私と話しているときは、昔のことも私の再婚相手のことも、よく覚えているのです。ところが、今さっき自分が何をしていたのか分からない。そして、家族が一番困っているは、祖父に対しての不満が、今になってドーッと出てきてしまっているようなのです。私は見たことがないのですが、祖父が同じ部屋にいると、祖母はものすごい勢いで祖父を怒っているそうです。私との話の中で祖母は、若い頃一人で夜、寂しいときに、家の回りをふらりと歩いていたこともあったと、昨日話していました。もっと、祖父に家にいてほしかったのかもしれません。素直に甘えられる世代ではなかったのでしょうか。性格だったのか。心の中に押しつぶしていた感情が、軽い認知症になった今、一気に出てきてしまったのだと、私は感じています。これから先、祖母がどのような状態になってゆくのか分かりませんが、怒りの感情が和らいでゆくこと、願っていいます。
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