腰痛の闘病記
自分の体調が悪い時は、ひたすらベッドに横になって、寝たり起きたりを繰り返しながら、良くなるのを待つしかないのだけれど、少し良くなって、日常生活が出来るようにまで回復しながらも、まだどこかが何となく痛かったり、だるかったり、調子が何となく良くない状態が続くと、気分が落ち込んできます。そうすると今度は「うつ」なんじゃないかとか、でもやっぱりどこか悪化しているのではないか、とか一人で悩んで眠れなかったり、眠れないのがおかしい、とか思ったり、堂々巡りの考えから脱出したくて、「闘病記」の本を探すことがあります。私と同じ病気(ベーチェット病)の方の闘病記はないと思うので、他の病気でも、闘病を経験された方の本を読んで、自分にとって、何か立ち直るヒントになることが欲しくて、探すのです。8月下旬から体調の波が激しいので、今回はさすがに精神的にもちょっと参りまして、闘病記を探しました。そして、私とは全く違うのですが、良い本を見つけて早速購入し、読んでみました。
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腰痛放浪記 椅子がこわい (新潮文庫) 著者:夏樹 静子 |
夏樹静子さんと言えば、ミステリー・サスペンスが主の有名な作家さんですよね。私は実は読んだことがなく、たくさんの著作の中から今回読んだこの闘病記が、始めての本となりました。夏樹さんは3年ほど大変辛い腰痛を患われたそうです。そのことが詳しく記してありました。しかもその腰痛の原因というのが、実は「心身症」だったということなのです。(別に小説ではないので、ネタをばらします)本当に驚くべき症状と、そのために費やされた数々の療法、どれも身体的には効き目がなく、結局は「心」ではないかと、そこまでにいき付くまでに数年かかっているわけです。それでもご本人は「心身症」ということが受け入れられなくて、入院してある治療をして、始めてその腰痛が回復へと向かうわけです。読んでいて、読者としてもショックであり、また信じられない病が世の中にはあるのだと、つくづく人間の心と体のつながりに、あらためて気づかされました。
自分でも気づかないうちに、潜在的な部分で心の病が進行しているかもしれない、なんて誰も信じられないですよね。そういうことがありえるのです。この本はそれを教えてくれました。自分はこうしたい、と思っていても、身体は、もうダメだ、といっている。そして実は心も(が)、ダメなのです。私が膠原病であるベーチェット病を発症した時も、思い返せばそんな状態でした。私は入退院が短期間で何度かあったので、その病気を受け入れるしかないという気になりましたが、それでも少し体調が落ち着き始めた一年前には、私も実際に「うつ」からくる全身の疼痛、みたいな経験をしましたので、心と体のつながりは密接だな、と感じます。
もちろん実際に今、体のどこかが痛い、辛い、と感じている方は、病院での検査などして頂きたいと思います。しかし身体的には異常が認められない場合は、もしかして「心」からの警告、知らせ、かもしれません。そういうことがない方でも、この本はご一読をお勧めします。著名な作家の方が、実際に経験された闘病記として、しかも「心」が関わっている本としてはとても参考になり、また勇気付けられ、気づかされる本だと思いました。
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