天璋院篤姫
来年のNHK大河ドラマに決まっている「篤姫」の原作、宮尾登美子さんの「天璋院篤姫」を、やっと読み終わりました。上下巻の文庫でそんなに厚みもないので、すぐに読み終わるかと思っていましたが、中味がなかなか、難しい言葉使いや、大奥のややこしい内容など、理解しながら読むのに結構大変でした。(本をまだまだ読みなれていない私だからかもしれません)しかし、非常に感動しました。
物語は、薩摩の分家に生まれた篤姫が、第13代将軍・家定の正室として嫁ぎ、大奥約3千人を取り仕切る御台所として成長してく過程を、その激動の時代背景とともに描いています。私は実は、父親が鹿児島出身ということもあり(しかし父の母、いわゆる祖母の時代から東京に出ていましたので、父親は一度も鹿児島にいったことはないそうです。私もです)、大変親近感が沸き、楽しみに読んでいたのですが、主人公・篤姫の人柄に、本当に感心し、半分鹿児島人の血が流れている者として、とても嬉しく思いました。篤姫のように立派な女性にはなれなくても、その人と同郷の血が半分入っているなんて、なんて嬉しいことだろうと、思ったのです。
そう言えば数年前、前の会社に勤め始めてまもなくの懇親会で、上司に出身地を聞かれて「私は東京ですが、父方が鹿児島なんです」と答えたら、その上司が「ああ、鹿児島の女性は忍耐強くて、男性を立てるんだよね。」と言ったことがとても印象的でした。初めて聞いたことでしたが、もし本当にそう言われているのでしたら、これはきっと篤姫の影響だろうと、今回本を読んで思いました。活発で快活で勉強好きな篤姫が、薩摩から江戸へ嫁いできて、体の弱い将軍を支えながら、大奥という女人の組織をまとめる苦労は、並大抵のことではなかったのでしょう。さらに嫁いだ将軍は一年九ヶ月で亡くなり、その後は天璋院として年若い14代将軍の母親役となり、また姑としての立場や、お世継ぎ問題など、とにかく陰でしっかりと大きな役割を担っていた一生でした。その篤姫の人柄から、鹿児島の女性は・・・と良い印象があるのだとしたら、それはとても名誉なことですよね。私も半分だけとはいえ、嬉しいです。
来年の大河ドラマが楽しみです。原作とドラマはちょっと違いますから、どのように描かれていくのか。主演の篤姫役には、宮崎あおいさんが抜擢されていますが、私の印象では若いときの篤姫はOKですが、その後、20代30代はどうするのだろうと思います。もしかして、若き篤姫を中心に描かれるのでしょうか。とにかく楽しみ。さて、次は再来年の大河ドラマの原作を読まなくては。
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